確定申告の更正請求(3)

お久しぶりです。
先日NHKで放送されていた「アラビア語会話」の“今日のセンテンス”が
「いつもこのライフル銃を使っているのですか?」
だったことに度肝を抜かれたタムラです。
前回の更新からすっかり時間が経ってしまいました。申し訳ありません。
さて。
配偶者の相続で、他の相続人と揉め、
遺産を現金化して分けなければいけなくなったAさん。
配偶者の唯一の遺産、不動産を売却することになりました。
その遺産分割協議の成立を明らかにするため、
Aさんは遺産分割協議書を作成しました。
ところが。
この遺産分割協議書の内容が問題だったのです。
相続人間で遺産分割する場合、方法は主に3つあります。
とても簡単に書きますと、以下のような感じになります。
1、現物分割(物をそのまま分ける。例:不動産は長男、株式は長女、預金は二男、などとする場合)
2、換価分割(遺産のすべてを売却して現金化し、分ける。)
3、代償分割(例:Aさんが自宅を相続する代わりに、Bさんにお金を払う)
Aさんの場合、遺産は不動産だけだったため、
売却して得た代金を、相続人で分配しました。
ですから2の換価分割となります。
ですが遺産分割協議書は、
「Aは代償金として、B及びCに金◯◯円を支払う」 という文章でつくられてしまっていたのです
なので、この遺産分割協議書により、
Aさんたちの遺産分割は、代償分割ということになってしまいました。
そしてAさんから確定申告の依頼を受けた税理士さんは、
遺産分割協議書から代償分割だと判断し、申告したのです。
本来であれば代償分割は、家族が同居していた自宅を長男が相続する代わりに、
次男にはお金(代償金)を払って話をつける、といった場合などに利用されます。
仮にAさんの遺産分割が代償分割だった場合、
その解釈は、
「Aさんは遺産である不動産を遺産分割(相続人間の話し合い)で取得したんだけど、
他の相続人に払う代償金が自分で用意できなかったので、
不動産を売って、その支払いにあてた」
ということになります。
そうすると、Aさんは自分の不動産を売却して得たお金を
他の相続人に支払ったことになりますので
税法上、売却して得たお金から不動産仲介業者の仲介手数料などの経費を差し引いた金額のすべてが
所得(譲渡所得)となり、税金がかかってしまうのです。
ちなみに代償分割の場合、他の相続人に支払った「代償金」は経費にできません。
まだつづきます。