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相続放棄の注意点や熟慮期間の例外について!

田村司法書士事務所

前回の記事:
東日本大震災で家族を亡くした被災者を対象に、相続放棄申立期間延長の方向!

【相続放棄とは?】
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の相続財産(資産及び負債)を、
自己に帰属させないよう家庭裁判所に申し立てる手続きです。

【どういう人が利用するのか?】
下記に該当する方が負債(借金・滞納税金・連帯保証債務等)を
相続しないために利用することが多いです。

①故人の相続財産が資産より借金のほうが多い場合
②故人が多額の借金の連帯保証人になっていた場合
③故人あてに支払いの督促状がきて初めて借金や税金の滞納等を知った場合
④故人と疎遠なため、相続財産の有無関係なしにとにかく関係を切りたい場合

【相続放棄の注意点は?】

1.家庭裁判所に申し立てる必要がある。
  単に「相続を放棄しない」と宣言したり、私文書を作成しても意味がありません。
  遺産分割協議で財産をもらわなかったからといって、相続放棄したことにはなりません。
 (遺産分割協議に参加すると、相続を承認したことになるので相続放棄できなくなります。)

2.相続放棄申立てには期限がある。
  原則として、”自己のために相続の開始を知ったときから3ヶ月以内”です。

  3ヶ月の起算日は、亡くなった日からではなく、  
 ”相続の開始を知ったとき”というのがポイントです!

  亡くなった日よりもあとに亡くなったことを知ったのであれば、
  その知った日から3ヶ月以内の期限をカウントします。
  自分が相続人ではないと思っていた場合は、3ヶ月以内の期限をカウントされません。
  例えば、叔父や叔母が亡くなったのは知っていたが、甥や姪である自分が
  相続人になっているのを知らなかったような場合があります。

  ただし、”相続の開始を知ったとき”というのは、
  相続人に請求したい債権者と、相続放棄したい相続人との間でよく争いになるので、
  亡くなった日から3カ月以内に相続放棄の申立てをするのがベターと言えます。

3.資産も相続できなくなる。
  相続放棄が受理されると、その相続に関して初めから
  相続人とならなかったものとみなされます。
  ですから、相続放棄をした人は、負債を返済する義務がなくなるのはもちろんのこと、
  資産を相続する権利もなくなります。

4.相続放棄の撤回・取消しは原則できません。
   あとで資産があることが判明し、やっぱり相続したいと思っても原則できません。
   例外として強迫や錯誤により相続放棄をした場合、撤回・取消しできる場合があります。

5.相続放棄できない場合があります。
  ①相続すると承認したとき
  ②相続財産の全部または一部を処分したとき
  ③自己のために相続の開始を知ったときから3ヶ月以内に限定承認、
    相続放棄をしなかったとき(ただし例外あり)

6.相続放棄をする前、相続財産を必ず調べましょう!
  長年消費者金融から借り入れをしていれば、払いすぎていた利息を取り戻せる
  いわゆる過払金返還請求ができる可能性があります。
  借金だと思っていたら、違っていたということもあるのです。

7.その他
  事案によってさまざまなので、専門家にご相談ください。

【相続放棄熟慮期間の例外】
”自己のために相続の開始を知ったときから3ヶ月以内”という原則ですが、
これには、例外があります。

最高裁の判例では、例外的に下記3点いずれも満たす場合、
相続放棄の期間を起算する日を①相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時
又は②通常これを認識しうべき時に繰り下げるべきとしています。

①相続人が被相続人に相続財産(積極財産、消極財産)が全く存在しないと信じたこと
②被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて
  相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があること
③上記①②につき相続人において相続財産が全く存在しないと信ずるについて
 相当な理由があると認められること

例としては、
小さい頃、親が離婚したため、疎遠となっていた片親が亡くなったのを知っていたが、
まったく財産状況がわからず、調べようもなかった場合です。

相続に関することは、人それぞれに事情が違いますし、
法律を知らないと損してしまうこともありますので、
まずは、最寄の弁護士や司法書士にご相談ください。

もちろん、田村司法書士事務所もご相談を承っております。

<問い合わせ先>
田村司法書士事務所
東京都渋谷区恵比寿一丁目20番17号
トウマン本社ビル3階
司法書士 田村剛史
TEL03-3447-7571

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