不動産取引と詐欺・偽造事件

東京及びその近郊で権利証や運転免許証等を偽造した詐欺による
不動産取引が増加していると聞いています。
そして、つい先日も東京司法書士会から
「偽造事件発生について」という知らせがきました。
あいにく詳しい手口は書けないのですが…。
一般的に不動産の詐欺事件は
権利証や運転免許証等を偽造し、
売主になりすまして不動産を売却する手口が知られていますが、
買主になりすまして住宅ローンを銀行から騙し取る手口もあるようです。
中には、無資格者が司法書士になりすまして売買代金や登録免許税を詐取する場合も。
司法書士白書によると東京の司法書士は、平成22年4月現在約3100人。
仮に年間10件詐欺事件があるとすると、
東京の司法書士は、310人に1人の割合で、詐欺事件に遭遇する。
東京の不動産の登記件数が年間約100万件あるので、
顕在化してない詐欺事件は、年間100件くらいあっても
おかしくないと思っています。
そうすると、31人に1人の割合で詐欺事件に遭遇することになる。
すべての詐欺事件が顕在化しない理由として、
被害者が被害に気づいていない場合と
被害者に事件化させたくない事情がある場合等があります。
これを考えると、年間100件でも少ないかもしれない。
詐欺事件を未然に防ぐには、偽造を見破る技術や経験も必要ですが、
詐欺の手口を知る必要もあります。
自分が詐欺師になったつもりで考えて、
それに対する対抗策を考えていく。
そんな想像力も必要なのかもしれません。
いくつか詐欺の手口を聞いたことがありますが、
驚くほど巧妙だったりします。
不動産詐欺事件根絶のためにも、
是非警察に情報を公開してもらい
司法書士向けに研修をしていただきたいものです。