(根)抵当権設定仮登記には、オンライン減税の適用はありません!

以前、根抵当権設定仮登記をオンライン申請した際に、
登録免許税を不動産1個につき900円で申請し、
その登記が受理されてしまったことがありました。
このことをブログに載せていたところ、その記事にとてもアクセスが多いため、
きちんとした情報を掲載しておきます。
前回の記事:https://blog.livedoor.jp/tamura_office/archives/2010-06.html#20100617
<結論>
根抵当権設定仮登記をした場合の登録免許税は、不動産1個につき1000円
オンライン減税の適用なしです。
900円ではありませんので、ご注意を!
<根拠>
平成20年2月29日法務省民二第761号通知で、
租特法第84条の5第1号の不動産の抵当権の設定の登記の適用範囲
について明記されており、下記の登記に限定していると解釈されます。
1.抵当権設定登記、根抵当権設定登記
2. 登免税法別表第一の一の(五)の規定の適用がある登記のうち次の登記
① 抵当権の債権額又は根抵当権の極度額を増額する変更の登記又は更正の登記
② 抵当権又は根抵当権の効力を所有権全部(持分の全部を含む)。に及ぼす登記
3. 登免税法第13条第2項の規定の適用がある登記のうち次の登記
① 抵当権又は根抵当権の設定の登記
② 抵当権の債権額又は根抵当権の極度額を増額する変更の登記又は更正の登記
③ 抵当権又は根抵当権の効力を所有権全部(持分の全部を含む)。に及ぼす登記
少しわかりずらいですが、条文を丹念にみると
登免税法別表第一の一の(十二)の仮登記については除かれているのがわかります。
つまり、(根)抵当権設定仮登記には、オンライン減税の適用はありません。
以下、参考までに、通知全文の引用です。
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【平成20年2月29日法務省民二第761号通知】
租税特別措置法第84条の5の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて
所得税法等の一部を改正する法律(平成19年法律第6号)附則第1条第4号の規定により、租税特別措置法(以下「租特法」という)。第84条の5の規定が本年1月1日から施行されたことに伴う不動産登記事務の取扱いについて、下記の点に留意するよう、貴管下登記官に周知方取り計らい願います。
1 租特法第84条の5第1号の軽減規定の適用について
租特法第84条の5第1号の軽減規定の適用については1の申請ごとに適用する。
2 租特法第84条の5第1号の軽減規定の適用範囲について
(1)租特法第84条の5第1号の不動産の所有権の移転の登記には,登録免許税法
(以下「登免税法」という)。別表第一の一の(二)の規定の適用がある所有権の更
正の登記、すなわち、所有権の一部移転の登記を全部移転の登記に更正する場
合などの一部移転の登記に係る持分を増加させる更正をする場合の更正の登記
が含まれる。なお、単有名義を共有名義に更正するなどの登免税法別表第一の一
の(十四)の規定が適用される所有権の更正の登記及び登記の原因を更正する所
有権の更正の登記は含まれない。
(2)租特法第84条の5第1号の不動産の抵当権の設定の登記には、根抵当権の設
定の登記が含まれるほか、次の登記が含まれる。
ア 登免税法別表第一の一の(五)の規定の適用がある登記のうち次の登記
① 抵当権の債権額又は根抵当権の極度額を増額する変更の登記又は更正の登記
② 抵当権又は根抵当権の効力を所有権全部(持分の全部を含む)。に及ぼす登記
イ 登免税法第13条第2項の規定の適用がある登記のうち次の登記
① 抵当権又は根抵当権の設定の登記
② 抵当権の債権額又は根抵当権の極度額を増額する変更の登記又は更正の登記
③ 抵当権又は根抵当権の効力を所有権全部(持分の全部を含む)。に及ぼす登記
3 租特法第84条の5第1号の軽減規定と他の軽減規定との関係について
租特法第72条、第72条の2、第73条、第74条、第76条等に規定される所有権の保存
若しくは移転の登記又は抵当権の設定の登記の軽減規定(以下「他の軽減規定」とい
う)。及び租特法第84条の5第1号の軽減規定については、当該各規定において重複適
用が排除されていない限り、他の軽減規定は併せて適用することができる。
なお、これらの規定の適用に当たっては、他の軽減規定を適用した上で、租特法第84条
の5第1号の軽減規定を適用する。
4 租特法第84条の5第1号の軽減規定と登免税法第19条との適用の順序について
登免税法第19条の規定は、租特法第84条の5第1号の軽減規定よりも前に適用する。
5 国税通則法第119条第1項の規定と租特法第84条の5第1号の規定の適用の順序につ
いて
国税通則法第119条第1項の規定の適用については、租特法第84条の5第1号の軽減
規定の適用後に適用する。
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司法書士 田 村 剛 史